演劇LAB☆演技力向上の部屋

演技に行き詰まりを感じた方の、悩みを解消し演技力を向上させる演技講座

発声練習で差をつけよう~発声トレーニング③~早口言葉~

ぺーいちです。

 

発声練習してますか。

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劇団などでは、稽古前にウォームアップの一環で発声練習を取り入れているところも多くあると思います。

 

しかし、漫然とただ声を出すだけになっていませんか。

 

気を付けることもわからずに、ただ声を出すだけでは、正確な発声・発音も、豊かな響きのある声も、セリフをコントロールする技術も、手に入れることはできません。

 

発声練習のたびに、なにに気を付けるか、課題を持って取り組むことで、正確な発声・発音、豊かな響きのある声、セリフをコントロールする力を手に入れましょう。

 

今回は早口言葉の取り組み方について説明していきます。

早口言葉も、変則50音と同様に、課題をもって取り組むことが大事です。

 

早口言葉と言えば滑舌改善と思われがちですが、これもただ漫然とやれば、そのうち滑舌が直っているというものではありません。

 

なにに気を付けるかという、意識がなければ、滑舌は直ることはありません。

 

しかし、ここで紹介する練習法と気を付けるべきことを意識して練習すれば、いつの間にか滑舌は直っていますので、取り組んでみてください。

 

テキストに紹介している早口言葉を全部確実に言えるようになれば、どんな言いにくい言い回しのセリフであっても、詰まったり、言葉がつぶれたり、聞きにくくなったりせずに言えるようになります。

 

ちょっとかっこいいですよね

 

テキストは下記のPDFからダウンロードして、プリントアウトするなどして用いてください

早口言葉テキスト.pdf - Google ドライブ

 

 

ここしばらく続けている発声トレーニングの内容は、無料で教えるのはもったいないほどの内容だと自負しているので、そのうち非公開にしようと思っています。

 

ぜひとも今のうちに覚えて実践していただきたいです。

 

早口言葉

 

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早口言葉は、ただ早く言えばいいと思っていませんか。

 

ただ早く言うだけで、言葉が転んだりして、上手く聞き取れない状態になっていても、言えた気になっていませんか。

 

言葉は、相手に伝わらなければ意味がありません。

 

そういう意味では、ただ早いだけでは言えた内には入りません。

 

では早口言葉を使って、より良い発声・発音を手に入れるための取り組み方をお伝えしていきます

 

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早口言葉はまず、ゆっくり確実に言うことから始めましょう。

 

すべての音を確実にならして読みます。

 

練習というかトレーニングなので、抑揚は不要です。

 

真っすぐな息の上に、言葉を乗せていきます。

 

語尾まで、責任をもって発音するようにしましょう。

 

はじめのうちは、ゆっくりであってもうまく言えないものもあると思います。

 

そんな時には、「スモモも桃も桃のうち、桃もスモモも桃のうち」を「すーもーもーもーもーもーもーもーもーのーうーちー、もーもーもーすーもーもーもーもーもーのーうーちー」と音を伸ばしてやってみましょう。

 

その後、早口でなくていいですから、普通に言ってみます。そうするとたいてい言えるようになります。

 

早口言葉は、わざと言いにくいように作られています。

 

なぜ言いにくいのかというと、言葉のコンビネーションが、口の中が狭くなるよう、狭くなるように配置されているからです。

 

意識して母音がしっかり鳴らしていかないと、口の中が狭くなっていえなくなってしまいます。

 

そのために、母音を鳴らす意識を、ゆっくり言うことで培っていきます。

 

 

ゆっくり言うことができるようになれば、今度は最速で言うことにチャレンジです。

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速く言う時も、真っすぐな息の上に、しっかり母音を鳴らして、口の中が狭くならないように注意しながら練習してください。

 

 

早口言葉を練習するときは、真っすぐの息の上に、しっかりと母音を乗せて、口の中が狭くならないようにするのが一番のポイントです。

 

早口言葉でしっかり訓練をして、どんに言いにくい言葉の言い回しであっても、聞き取りやすい言葉でしゃべれるよう頑張ってください。

 

まとめ

早口言葉は、言いにくい言葉のコンビネーションで成り立っています。

 

つまりは、早口言葉を完璧に言いまわすことができれば、どんなセリフが来ても、滑舌が悪いなどと言われずに演技することができるようになります。

 

しっかりと母音を鳴らしてしゃべることを気を付けて、取り組んでみてください。

 

舞台上で早口言葉を披露する機会などは滅多にありませんが、すらすらと言えるとちょっとかっこいいですよね。

 

今回は以上です

 

最後まで読んでいただきありがとうございます

 

ご意見・ご感想などありましたら、コメント欄に書き込んでいただけると嬉しいです。

 

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発声練習で差をつけよう~発声トレーニング②~変則50音~

発声練習してますか。

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劇団などでは、稽古前にウォームアップの一環で発声練習を取り入れているところも多くあると思います。

 

しかし、漫然とただ声を出すだけになっていませんか。

 

気を付けることもわからずに、ただ声を出すだけでは、正確な発声・発音も、豊かな響きのある声も、セリフをコントロールする技術も、手に入れることはできません。

 

発声練習のたびに、なにに気を付けるか、課題を持って取り組むことで、正確な発声・発音、豊かな響きのある声、セリフをコントロールする力を手に入れましょう。

 

今回は、演劇を志す人なら、だれでも一度は触れたことがあるだろう「変則50音」のテキストを用いて、進めていきます

 

テキストは下記のリンクからPDFファイルをダウンロードして、プリントアウトするなどして用いてください。

変則五十音テキスト.pdf - Google ドライブ

 

 

 

前回からしばらく続ける発声トレーニングの内容は、無料で教えるのはもったいないほどの内容だと自負しているので、そのうち非公開にしようと思っています。

 

ぜひとも、今のうちに覚えて実践していただきたいです。

 

 

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変則50音①の進め方

次記事のテキストの「変則50音①から進めていきましょう。

 

姿勢

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まず、前回の記事で紹介した良い姿勢で立ちましょう。

 

重心に注意します。

重心が上がってしまうと声が上ずって聞こえてしまいます。

 

重心の位置として、一般に「丹田」と呼ばれる場所、へそから握りこぶし一個分くらいしたを意識します。

 

呼吸

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腹式呼吸でしっかり支えのある息で発声していきます。

 

息を吸うときに、口で吸うと重心が上がってしまい支えが取りづらくなりますので、鼻から息を吸うようにしましょう。

 

息を吸ったら、声を出す前に、一度息を止めて、息を支える準備をします。

声楽などではこれを「セット」すると言います。

 

息を吸ってそのまますぐに声を出すと、支えが取れないので、気を付けてください。

 

発声

姿勢を正して、息を吸ったらいよいよ発声です。

 

「ア、エ、イ、ウ、エ、オ、ア、オ」と一音ずつ確実に発音していきましょう

 

発声する際に、特に気を付けなければならないことが5つあります。

 

  • 口の形を準備してから声を出す。
  • 二重母音にならないように注意する
  • 息のベクトルを一定にする
  • 促音が入らないように注意する
  • 「ウ」母音を前に出すようにする

 

それでは、それぞれについて説明していきますね。

 

口の形を準備してから声を出す

口の形が準備できないままに発音すると、口を動かしながら発音することになってしまうので、「ア」が「ゥア」、「エ」が「ゥエ」となってしまったり、「カ」が「クゥア」となってしまったりします。

 

発音する前に、口の形を準備してから声を出すことで、音がクリアに出るようになります。

 

二重母音にならないよう注意する

確実に発音しようとするあまり、母音を押しすぎてしまい「アァ」、「イィ」となってしまったり、「カァ」「ケェ」となってしまうことがあります。

 

聞いてて聞き苦しくなってしまいます

母音を押しすぎないよう気を付けましょう。

 

息のベクトルを一定にする

息のベクトル、つまり出す方向と量を一定にすることで、発音した音が安定します。

ベクトルが変わると、響きが変わってしまったりするので、一定にできるようコントロールしていきましょう。

 

促音が入らないようにする

促音とはちいさい「っ」のことです。

「あっ、えっ、いっ、うっ、えぅ、おっ、あっ、おっ」とならないように気を付けてください。

 

音を切るときにのどを締めて切ると促音が入ってしまいます。

促音が入ると、息の流れが止まってしまうばかりか、息のベクトルも変わってしまうので、発音が安定しなくなります。

 

「ウ」母音を前に出すようにする

「ウ」の母音は、同じように出しているつもりでも、ほかの母音と比べると、引っ込んで聞こえます。なので、セリフなどで聞いた時に、音の粒が揃いにくくなるので、自分が思っているよりも、少し前に出して発音するようにしてください。

 

ただし、二重母音にはならないように注意が必要です。

 

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これらの5つに気を付けて「変則50音①」を続ければ、とりあえずは発音は整っていきます。

 

他にも、カ行のとき、サ行のときなど、それぞれの行によって気を付けることはありますが、まずはこの5つに取り組んでみてください。

 

変則50音②の進め方

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続いてテキストの変則50音②を進めていきます。

 

姿勢や呼吸に関しては前項の変則50音①と同じです

 

 

こちらは1段をひと息で言います。

 

声を出すときの注意点としては

  • 息の出す量とベクトルを一定にする
  • レガートに発声する
  • 母音の響きの上に子音を乗せるように発音する

以上の3点です。

 

それでは、それぞれについて説明をしていきますね

 

息を出す量を一定にする
まずは、真っすぐで一定の息を吐くことを意識してください。
息の量やベクトルがぶれると、声の響きもぶれてしまいます。
 
息のベクトルをコントロールすることで、声のベクトルと響きがが安定します
 
 
レガートに発声する

「レガート」ってなんのこっちゃ、と思われたかもしれませんね。

「レガート」の反対は「スタッカート」。

音楽用語です

 

スタッカートは分かりますよね。小さく切って発音することです。

 

スタッカートで発声をすると、息の流れが止まってしまいますし、息のベクトルも変わりやすくなってしまいます。

 

レガートはその反対で、滑らかにつなげて発音するということです。

 
こうすることで、息の流れを止めずに発声することができます。
息の流れが止まらなければ、声のベクトルが変わりにくくなります。
 
とはいえ、流してしまうのではなく、一音一音正確に出した上で、滑らかにつなげることは意識してください。
 
母音の響きの上に子音を乗せるように発音する

日本語では、母音と子音が組み合わさって一つの音になります。

 

母音の響きが充実していないと、その上に子音を乗せても、なにを言っているのかわからなくなってしまいます。

 

また母音を響かせることができていないと、セリフをしゃべるときに音が「転ぶ」ということになって、セリフにリズムを崩してしまったり、早口に聞こえてしまって、観客が聞き取れないということも引き起こしてしまいます。

 

母音をしっかり鳴らすことを意識して取り組んでください。

 

母音の響きが、感情を表現するともいわれています。

母音がしっかり響くと、それだけ観客に伝えたい感情などもしっかり届くというものです。

 

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セリフをしゃべるときに、上ずったり、アクセントが上手くとれなかったりしている俳優さんをよく見かけます。
 
いわゆるセリフが「歌う」とか「笑う」とかいう現象です。
 
狙ってコントロールしているのならいいのですが、多くの場合「なってしまっている」という状態で、自分ではどう聞こえているかはわかっていないことがほとんどです。
 
この変則50音②は、ベーシックな部分として、言葉をコントロールする訓練でもあります。
 
 
セリフでは、なかなかまっすぐにしゃべるだけでは表現しにくいものがあるのは確かです。
 
実際にやってみると、まっすぐ発音練習することがとても難しいことを実感されることだと思います。
 
その難しいことを、基礎力として身に付けてしまえば、あとは応用で自分の思うようにセリフをコントロールできるようになりますので、しっかりと練習に取り組んでみてください。
 

拗音の進め方

最後に、次記事テキスト「拗音」について進めていきましょう。

進め方としては「変則50音①」と同じです。 

 

拗音である「きゃ」などは一つの音の中に、2つの母音が組み合わさって一つの音になっています。

 

二つの響きで出してしまうと、とてももたついた印象を与えてしまうので、一つの響きの中に収めて発音していきます。

 

「きゃ」は「kya」であって「kiya」とならないように意識をしながら発声してください。

 

そのほかの気を付けるところは、「変則50音①」と同様です。

 

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発声練習では、漫然と声を出しているだけでは全く意味がありません。

 

今回紹介したことを意識しながら取り組んでみてください。

 

なかなか一朝一夕にはうまくはなりませんが、課題意識をしっかり持って、継続的に取り組むことで、必ず大きな成果を生むのが基礎基本です。

 

基礎基本だから、はっきり言って地味ですし、決して面白いことではありませんから、おざなりにしてしまう劇団も多いです。

 

しかし、言葉がちゃんと伝わってこない、なに言ってるかわかんない、そんなお芝居を観たいですか。

 

そんなも観せたいですか。

 

観たくないし、観せたくないはずです。

 

必ず演技の上達につながりますので、信じて取り組んでください。

 

まとめ

何度も言いますが、発声・発音練習は漫然とやっているだけでは、やるだけ無駄というものです。

 

しかし、一回一回課題意識をもって取り組めば、必ず上達します。

 

今回紹介した「気を付けるべきこと」はほんの一部ですが、これらを意識して取り組むだけで、普段の発声練習は意味のあるものに変わっていきます。

 

豊かで艶のある響きを持った声は、ただそれだけで俳優として大きな魅力となります

 
しっかりと取り組んでいただければと思います。
 
 
 
今回は以上です。
 
最後まで読んでいただきありがとうございます
 
P.S
そのうちに、発声発音を中心とした演技講座を開催したいと考えています。
 
興味のある方がいらっしゃいましたら、コメント欄に「興味ある」と書き込んでいただけたら幸いです。
 
ある程度の人数に到達したら書き込んでいただいた方には優先的にご案内させていただきます。
 
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発声練習で差をつけよう~発声トレーニング①良い声は良い姿勢から~

ペーいちです。

 

発声練習してますか。

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劇団などでは、稽古前にウォームアップの一環で発声練習を取り入れているところも多くあると思います。

 

しかし、漫然とただ声を出すだけになっていませんか。

 

気を付けることもわからずに、ただ声を出すだけでは、正確な発声・発音も、豊かな響きのある声も、セリフをコントロールする技術も、手に入れることはできません。

 

発声練習のたびに、なにに気を付けるか、課題を持って取り組むことで、正確な発声・発音、豊かな響きのある声、セリフをコントロールする力を手に入れましょう。

 

バレエなどでも、基本フォームとして1番から6番まで立ち姿勢があって、その基本フォームが崩れると、良いダンスはできませんよね。

 

一流のバレリーナであっても、この初歩の初歩である基本姿勢の確認に毎日何時間もかける方もいるそうです。 

 

 

良い声をだすためには、良い姿勢がとっても大事です。

 

姿勢が悪いと、支えのある息を吐くことができませんし、響きのある声を出すこともできません。

 

良い姿勢で発声することで、支えのある息を吐き、響きのある声を手に入れていきましょう。

 

まずは、姿勢について紹介していきますね。

 

今回からしばらく続ける発声トレーニングの内容は、無料で教えるのはもったいないほどの内容だと自負しているので、そのうち非公開にしようと思っています。

 

ぜひとも、今のうちに覚えて実践していただきたいです。

 

 

姿勢 

 

発声において、姿勢は大事です。

悪い姿勢 

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より良い声を出すために、まずは姿勢から直していきましょう。

 

上の写真のように、猫背で首が前に出ていると、肩回りの筋肉が緊張し、のどが開きにくくなります。

 

のどが開かないと、大きな声が出ませんし、無理して大声を出すと、喉を傷めてしまいます。

 

また、肩回りの筋肉が緊張するとのどを締め付けることになり、口の中の空間が狭くなるので、響きが出にくくなります。

 

まずは、姿勢を正すことから始めましょう。

 

良い姿勢 

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上の写真のように、まず良い姿勢をとることが大事です。

 

 お腹をポンプ、そして声がでる口を蛇口と見立てると、ポンプから蛇口までストレートにつながっていることがわかります。

 

つまりは、お腹で吸った息が、スムーズに出ていくわけです。

 

姿勢が悪いと途中で曲がったり、詰まったりして息が出にくくなるんです。

 

ですから、息をスムーズに流すためにも良い姿勢がだいじなでんです。

 

良い姿勢の取り方

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とはいえ、「姿勢が悪いから直しなさい」と言われても、自分ではどうなってるかわかりにくいですよね。

 

自分ではよい姿勢をしているつもりでも、鏡で確認すると首が前に出ていたり、猫背になっていたり、胸を張りすぎて反り返ってしまってたりします。

 

他の人に、客観的にいろいろと指摘してもらって直したとしても、自分ではどのようにして立っているのかわからないので、同じように立ってみようと思っても再現できなかったりします。

 

 

では、姿勢よく立つために気を付けるポイントと方法を紹介していきます。

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  • 足を肩幅に開き立ちます。
  • 上体を前に倒し、脱力します。
  • 息を吸いながら、腹筋で上体を引き上げ、ゆっくり起こしていきます。この時、腰骨、仙骨、背骨の一つ一つを積み上げていく感覚を持ってください。
  • 最後にコトンと置く感覚で頭を首の上に置きます。

 

これをやるときはお腹周り以外には力を入れないように注意をしてください。

 

こうやって立つことによって、おおむね良い姿勢で立つことができます。

 

また、おなかを使って起き上がっていますので、すでに支えの入った状態にもなっています。

 

足を肩幅に開くときは、両足のかかとをつけてつま先を45度開いてください。そして、体重移動だけで横に足をだすと、自然と肩幅になります。ちなみに両足のかかととつま先をつけた状態で横に足を出すと骨盤の幅になります。

 

たまに、演出家から足の幅の指示が出ることがありますので、覚えていて損はありませんよ。

 

猫背になっているときなどは「もっと胸を張って」といわれますが、胸を張りすぎると今度は逆に反り返ってしまいますのが、胸の張り加減がわかりにくいと思いますので、「胸を張る」ではなく、「背中を広くとる」という風に意識してください。

 

 

 

発声練習を始める前に、まずこの良い姿勢をとることと、良い姿勢になっているかの確認をしてから発声練習をはじめてください。

 

慣れないうちは知らないうちに姿勢が崩れてしまうので、常に意識してやることが大事です。

 

まとめ

スポーツやダンスやバレエなどでも、基本姿勢というか、基本フォームってとても大事だと思います。

 

フォームが崩れるとパフォーマンスは落ちますよね。

 

演劇では、なかなかこの基本フォームを意識することはないかもしれませんが、良い姿勢こそすべてに通じる基本フォームだと思います。

 

発声において、この基本フォームを正しく手に入れて、艶と響きを持った声を手に入れてください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます

 

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滑舌を直す努力はいらない。

ペーいちです。

 

滑舌が悪いと言われて、悩んでいませんか。

 

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私は、以前はすこし滑舌が悪いと言われたことがありました。

 

 

今は滑舌が悪いと言われることはありませんが、滑舌を直すために特別何かをしたことはありません。

 

いつの間にか、滑舌は直っていました。

 

早口言葉も、今はすらすらと言えるようになってます。

 

なぜ、滑舌が直ったかというと、発声・発音の訓練をしたからです。

 

正確な発声・発音をしっかり訓練することで、いつの間にか滑舌を気にしなくてもセリフをしゃべれるようになっていました。

 

滑舌が悪いだけで、ほかのことができていても、観客からは下手な俳優と思われてしまいます。

 

そうならないためにも、滑舌は直したいですよね。 

 

では、なぜ発声・発音の訓練をしただけで滑舌が直ってしまったのか説明していきます。

 

 

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滑舌が悪いとは

滑舌が悪いと言われる場合、おもに2つあります。

 

まず、口の中のポジションがうまくとることができていない場合。

 

例えば

「さ・し・す・せ・そ」が「しゃ・し・しゅ・しぇ・しょ」とか「すぁ・すぃ・す・すえ・すぉ」となってしまったりする場合ですね。

 

滑舌悪い芸人の諸見里さんみたいになってしまっていますね。

 

単音での発音がクリアにできていないので、これを直さなければなりません。

 

これを直すには、口の形と舌の位置に気を付けながら、一音一音正確に発音するということをしていきます。

 

しかし、発声をしながら自分で自分が正確に発音できているのか、はじめのうちは分かりませんので、自分の声を録音して、なんども練習しなければなりません。

 

ちゃんとした先生につけば、口の中の状態を判断して、的確な指示を出してくれるので、上達は早くなります。

 

 

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二つ目は、「母音」がしっかりと鳴らない状態でしゃべってしまっていることです。

 

日本語は母音と子音から成り立っていることは知っていますよね。

 

a・i・u・e・oの5つの母音とk・s・tなどのの子音ですね。

 

母音に子音が合わさって一つの音になるのです。

 

しかし母音がしっかり鳴らずに子音が勝った音になってしまうと、クリアに聞こえてきません。

 

そして、いくつかの音が連なって言葉になるわけですが、そのときしっかり母音が鳴らないうちに次の音にいってしまうと言葉が早くなってしまって聞き取りづらくなってしまいます。

 

また、しっかり母音を鳴らすということをしていないと、口の中が狭くなってしまって、発音が不明瞭になってしまったりします。

 

早口言葉

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早口言葉って、滑舌訓練の最たるものと思っていませんか。

 

まあ、そうなんですけど、発声発音練習の教材でもあります。

 

早口言葉は、言いにくい音のコンビネーションで作られています。

 

なぜ言いにくいかというと、意識せずに言うと、口の中がどんどん狭くなっていえなくなってしまうからです。

 

発声・発音で気を付けるべき、母音を鳴らすという意識ができていれば、口の中が狭くなりにくく、自然と言えるようになってしまいます。

 

早口言葉の練習をするときは、たとえば「生麦生米生卵」でしたら、「なーまーむーぎーなーまーごーめーなーまーたーまーごー」とゆっくり母音をしっかり鳴らして発声ししてみてください。

 

その感覚をもったまま、今度は早口で発生するとスムーズに言えるようになります。

 

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まとめ

滑舌を直すための訓練として、外郎売のセリフや早口言葉を高速で言うのもいいですが、訳も分からず、ただ早く言うだけなら、むしろやらないほうがましだと思います。

 

それよりも、正確でクリアな発声・発音を手に入れれば、自然と滑舌は直ります。

 

そのためには、日々訓練をしていかなければなりませんが、いい演技をすることにもつながりますので、頑張っていきましょう

 

最後まで読んでいただきありがとうございます

 

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舞台上に「真実」は存在するのか?

ペーいちです。

 

舞台上に真実は存在するのでしょうか。

 

 

そもそも、演劇というものは、作り物であって、作品中に行われることは「絵空事」、つまりは、現実世界には起こりえない「嘘」だったりします

 

現実に起こりえないことや、過去に起こったとことに作家が脚色や解釈を加えたりして作られます。

 

 

さらに、演出家や俳優が解釈を加えていますので、「史実」や「現実」からは遠く離れてしまうことも多くあります。

 

しかし、そんな作品の中にも、舞台上の「真実」は確かに存在します。

 

では、舞台における「真実」とは、いったい何なのでしょう。

 

それは、俳優が「真に実感すること」なのです。

 

「真に実感すること」によって、舞台にリアリティをもたらします。

 

これがなければ、舞台はなんだか嘘くさくなってしまいます。

 

しかし、「真に実感すること」だけでは、なんだかわかりませんよね。

 

それでは、舞台上の「真実」について説明していきますね

 

 

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観客の「追体験」「同時体験」

 

観客は演劇を見ている際は、演技者の体験を「追体験」もしくは「同時体験」しています。

 

この「体験」が、観客と共有できなければ、「なんかやってたけど、よくわからなかった」などと言われてしまいます。

 

しかし、「体験」を観客と共有することができれば、演技者自身だけではなく、観客にも「演劇的快感」を持ってもらうことができます。

 

演技をする上では、観客に、この「体験」をしてもらうことこそが、重要だと思います。

 

 

舞台上で起こった出来事は、セリフであれ、動作であれ、即座に観客に問い直され、検証されます。

 

つまり、演技者の演技に観客が同調して、同じく感じることで、舞台と客席にひとつの演劇体験が成立し、観客と演技者のそれぞれが快感を得ることができます。

 

これこそが最も原則的な演劇です。

 

演技者から伝えられる「なにものか」の内容に関係なく、演技者と「共有」したという体験が、演劇的感動を生むことになるのです。

 

つまり、舞台上の「真実」とはまさにここを拠り所として存在するのです。

演技者の体験

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ではこの観客の「追体験」「同時体験」は何から生み出されるのでしょう。

 

たとえば、スポーツ観戦。

 

相撲をみていて、力士ががっぷり四つに組み合って、グーっと力がこもっているとき、テレビ越しであっても、見ているこっちも、無意識に力が入ったりしませんか。

 

ちゃぶ台なんかをグーっと持ったりなんかして、ひいきの力士が土俵際でうっちゃり、なんてことになったら、思わず自分もちゃぶ台をうっちゃってしまったり。

 

さすがにここまではないにしても、目の前で繰り広げられていることに引き込まれて、力が入ってしまうことがありますよね。

 

端的にいえば、これが観客の「追体験」「同時体験」なのです。

 

この例でいえば、今まさに目の前の二人の力士が、真剣に力をぶつけ合っています。

これが、力を入れているふりで、相撲を見せていたら、見ている側は、こんな風に力が入りますか。

 

入らないですよね。

 

力士から、力が入っているという実感が伝わるからこそ力が入るというものです。

 

実感とは「実際に感じていること」なんですよね。

 

 

 

演技でも同じことが言えます

 

俳優が、ここはこんな感じ、とか、心を動かさないまま、ただセリフをなぞっていたら、演技はとても嘘くさくなります。

 

また、俳優の、「俺かっこいい」という陶酔感や、「うまく見せてやろう」とかいう欲があると、観客はそれを敏感にとらえて、気持ちが作品から離れてしまいます。

 

また俳優が、自分の演技プランのみで、共演者のセリフの出し方や演技に呼応せず、やりたいように演じてしまっていても実感は生まれません。

 

 

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「実感」とはなにから生まれるかと言えば、「体験」から生まれます。

 

私は役を演じる際に、「台本のすべてを完璧に覚えて、そしてすべてを忘れる」ということをモットーに演技をしています。

 

多くの演劇は、台本をもとに作られます。

 

俳優は、台本に書かれているセリフや段取り、シーンなどすべて覚えて舞台上に上がらなければなりません。

 

つまり、これから起こることがすべてわかっている状態で演技をするわけです。

 

舞台上での未来に何が起こると分かっているので、なんども稽古を重ねると慣れてしまって、演技がただ流れていくことになってしまうことになってしまいかねません。

 

役を演じる俳優は、これから起こることはすべて知っているわけですが、演じられる役の人物は、これから起こることは何も知らないのです。

 

これから自分に起こることも、何を思うかも、何をしゃべるのかも知らないわけです。

 

起こったことに対して、感じ、心が動いて、言葉を発するのです。

 

場所を感じ、空気を感じ、出来事を感じ、他者の言葉を感じること。

 

そして、それらのことに心が動かされる。

 

これこそが「体験」というものなのです。

 

そして、体験すること=実感するということになるのです。

 

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しっかりと、見て、聞いて、触って、匂いを嗅いで、五感を総動員して感じてください。

 

そして、五感で感じ取ったことに心を動かしてください。

 

そうすることによって、舞台上に起こるすべてを体験してください。

 

そこに「真実」は生み出してみてください。 

 

 まとめ

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「舞台上の真実」とは、俳優が役の人物として、「真に実感すること」です。 

 

その実感は、俳優が役の人物として「体験」することによってのみ生まれ、観客はその「体験」と「同時体験」あるいは「追体験」し、その作品世界を俳優と観客双方で呼応し、「共有」することによって、「演劇的快感」を生み出すものとなります。

 

俳優として、ぜひともこの「真実」を手にして、「演劇的快感」を味わってほしいと思います。

 

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俳優と役者の違い。 俳優とは、役者とは、なんだ?

ペーいちです。

 

俳優と役者の違いって判りますか。

 

 

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舞台出演者のことを「役者」とか「俳優」とか言いますが、現在においては、だいたい同じ意味でつかわれますよね。

 

なんとなく、「俳優さん」というと、職業にしている人っぽくて、「役者さん」というと職人気質なイメージを、私は勝手に受けています。

 

演技の上達に何の関係があるのかと疑問もお持ちかもしれませんが、演劇は、言葉を取り扱う芸術ですので、何気なく使っている言葉も、しっかり調べて確信して使うことが大事です。

 

一番身近であろう「俳優」「役者」という言葉を考えていきましょう。

 

  

俳優の起源

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俳優という言葉の起源は古く、日本書紀古事記にも登場します。

 

「俳」も「優」もどちらも、ひと文字で「わざおぎ」と読み、同じ意味の言葉を重ねた「俳優(わざおぎ)」として記されています。

 

有名な神話『天の岩戸』で、アメノウズメが「巧みに俳優す(わざおぎす)」という表現が記されています。

 

わざ(神意)を、おぐ(招く)という意味だそうで、かなり超自然的な言葉です。

この流れで、「災い・禍(わざわい)」と聞くと、ちょっと嫌な予感がしますね。こちらは、わざ(神意)が、わい(這う)ように広がるという恐い言葉なんだそうです。

 

続いて漢字のほうに注目してみましょう。

 

「俳」は、滑稽で楽しい踊りや技芸をあらわします。「非」は、「扉」の字にも使われている通り、“左右で対になる動き”のことです。

舞いや踊り、果ては左右の人物が掛け合いをする芸。

そこに人偏がついて、“神様を楽しませる者”となります。

 

人偏に「非」だから、「人にあらず」という意味ではありませんよ。

 

むしろ神を喜ばせることのできる、人を超越したモノとでもいえるのではないでしょうか。

「優」も、ほぼ同じ意味だと言われていますが、“憂”があらわすのは、「頁(頭)+心+夊(足)」で、思い悩み、あるいは喪に服し、静かに歩くさまです。

 

舞い踊るということは同じでも、そこには悲しみや憂いがあり、“神様を慰め、鎮める者”といった静けさを秘めているのではないでしょうか。

 

役者とは

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一方、「役者」という言葉は、役を演ずるものとして、平安時代から続く田楽、能や狂言、歌舞伎といった伝統芸能のなかで、舞台に立つ者を指して使われるようになりました。

 

花形の役者をあらわす、「立役者」や「千両役者」などの言葉には、「俳優」の神秘さに比べて、民衆からの親しみを感じられます。

 

 

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セリフとして出てくる言葉について、話す者も、聞く者も、その言葉をどういう意味でとらえているのかまでは、台本に書かれていません。

ですので、「言葉にこだわる」という姿勢がとても重要になってきます。

セリフの読み方に気を取られて、「言葉の違い」を読み飛ばす役者は多いのです

 

言葉の成り立ちを知ることで、解釈の幅を広げてください。

 

そしてそれ以上に、自分が思い描くイメージや、こうありたいという決意が、言葉には込められているのだと気づくことがとても大事です。

 

まとめ

難しい語源や漢字はともかく、「人に非(あら)ず」と書いきながらも、人を超越した「俳」、それがさらに「優」れているのが俳優と私は思っています。

 

私は「俳優」という言葉の中に、神を喜ばせ、慰め、かつ、人を喜ばせ、時には寄り添う、そして、普通の人にはできないような「演技」というとても難しいことをやってのける「超越者」を見ています。

 

 

私は職業としての俳優ではありませんが、いつの日か「超越者」としての「俳優」になれればと思っています。

 

そして、私は舞台の出演者には、敬意とそうあってほしいと願いを込めて、「俳優」と呼ぶようにしています。 

 

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演技に必要な響きのある声を生み出すだそう ~腹式呼吸できていますか?~

ペーいちです。


あなたは腹式呼吸できていますか。

 

「声を出すには腹式呼吸だ」なんてよく言われますよね。

 

セリフをしゃべるうえで、よく言われる腹式呼吸ですが、これはどのようなものなのでしょう。

 

 

歌を歌ったり、セリフをしゃべるときに腹式呼吸が推奨されるのは、首やのど、肩回りの筋肉をリラックスさせつつ、息を安定させる支えを作るためです。

 

息を安定させる支えのない声は、弱く、安定しません。

 

弱く安定しない声では、セリフは観客には届かないので、なんかあの役者さん「しょぼいね」などと言われてしまいかねません 

 

腹式呼吸は用途によって、また教える人によって違っています。

 

よく、「あおむけに寝て鼻から息を吸うと、お腹がふくれるでしょ、これが腹式呼吸。」というのを聞きますが、この説明だけでは、セリフや歌を歌う時の支えとして使うには、用途が違うと思います

 

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息はどこに入るか知っていますか。

 

息は肺にしか入りません。

 

お腹に息が入ることはありません。

 

息をお腹にいれるとどうなるでしょう。

 

はい。ゲップになります。

 

ではなぜ、お腹に入らないのに腹式呼吸なんて言うのでしょうか。

 

腹式呼吸とはどういったものか、まずは胸式呼吸と、腹式呼吸の違いから説明していきます

 

腹式呼吸と胸式呼吸

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先に書いた通り、息は肺に入ります。

 

呼吸するためにには、横隔膜を下げるか、肋間筋を広げて肺に空気を入れなければなりません。

 

胸式呼吸では肋間筋、腹式呼吸では横隔膜を使います。

 

このとき使う筋肉によって、腹式と胸式に分かれるのです。

 

胸式呼吸

試しに肋骨のところに両手をあて、そこを大きく膨らませながら息を吸ってみましょう。

 

そうすることで、胸が大きく上がるのが分かると思います。

 

息を吐くともとの位置に戻っていきます。

このように肋間筋を広げてできた隙間に、肺も広がり息が入り、肋間筋をもとに戻すことで肺ももとに戻り息が出て行くこれが胸式呼吸の仕組みになります。

 

胸式呼吸では、息が一気に出てしまい、息がかった小さく弱い声にしかなりません。

 

だからと言って大きく強い声を出そうとすると、息を一定に出すために喉の周りの筋肉を使って喉を締め付けなければならなくなります。

 

そうなるとキンキンと硬い声になり、声帯を痛めやすくなってしまいます。

 

良い声を出すためには、喉の周りの筋肉をリラックスさせ、のどの奥を広くする必要があります。

 

そうすることで声帯振動でできた音が顔の中心の鼻腔に共鳴し、とても良い声になります。

 

胸式呼吸だと、それが不可能な状態になるため、良い声を出すことに向いていないのです。

 

腹式呼吸

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腹式呼吸には横隔膜を使います。


横隔膜は筋肉と腱でできている薄い膜です。ちょうど鳩尾(みぞおち)くらいの位置にあります。


この横隔膜を下げる(正確には収縮させる)ことで肺が縦に広がって息が入ります。

 

お腹が膨らむのは横隔膜を下げたことにより、内臓が押し出されるからです。

 

そして息を吐くことで横隔膜がもとの位置に戻り、お腹が縮まっていきます。

 

この動きのおかげて息を一定に出すことができ、声帯にバランスの良い量と強さの息が当たるようになり、負担なく声が出ます。

 

喉をリラックスさせた状態(喉をあけた状態に)になるため、鼻腔に音が共鳴した良い声を出すことができます。

ちなみに発声のトレーニングの中では、一定に息を吐くこと力のことを「支え」と言います。


お腹から声を出すという感覚は、この「支え」のことを指します。

 

胸式呼吸ではこの「支え」がうまくできず、腹式呼吸ではできる。これが一番大きな違いです。

 

腹式呼吸による支えの作り方

 

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腹式呼吸では横隔膜と使うと紹介しましたが、横隔膜そのものは自分の意思で動かすことはできません。

 

横隔膜の周辺の筋肉を使って、横隔膜を押し下げるのです。

 

よく床に寝て、「お腹の動きを意識しましょう」と言われるため、腹筋のみで呼吸を支えようとしている人は多いのではないでしょうか。

 

横隔膜を押し下げる筋肉は、腹筋のみでなく背筋やいろいろな筋肉を使います。

 

ですから、息を吸うときは、お腹の前面を膨らませるイメージではなく、胴全体を膨らませるイメージをしてみてください。

 

充実した息を吸えたときには、背中に手を当てると背中まで膨らんでいるのがわかります。

 

そして、息を吸ったことによって膨らんだ身体は息を吐くことで、縮まろうとします。

 

この縮もうとする身体を、息を吐きながらも、縮まらないように抵抗していくと、息の出るスピードをコントロールし出来ると思います。

 

このコントロールできることが支えの入った状態と言えます。

 

この支えを持った息を吐くことが、腹式呼吸の目的なのです。

 

まとめ

 

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腹式呼吸は、お腹を膨らませて呼吸することが目的なのではなく、横隔膜周辺の筋肉を総動員して、深い充実した息を吸い、その息を支えてコントロールすることが目的なのです。

 

セリフをしゃべるには、支えを持った、コントロールされた息が不可欠です。

 

しっかり腹式呼吸をしてください。

 

今回は以上です

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます

 

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