演劇LAB☆演技力向上の部屋

演技に行き詰まりを感じた方の、悩みを解消し演技力を向上させる演技講座

演技に必要な響きのある声を生み出すだそう ~腹式呼吸できていますか?~

ペーいちです。


あなたは腹式呼吸できていますか。

 

「声を出すには腹式呼吸だ」なんてよく言われますよね。

 

セリフをしゃべるうえで、よく言われる腹式呼吸ですが、これはどのようなものなのでしょう。

 

 

歌を歌ったり、セリフをしゃべるときに腹式呼吸が推奨されるのは、首やのど、肩回りの筋肉をリラックスさせつつ、息を安定させる支えを作るためです。

 

息を安定させる支えのない声は、弱く、安定しません。

 

弱く安定しない声では、セリフは観客には届かないので、なんかあの役者さん「しょぼいね」などと言われてしまいかねません 

 

腹式呼吸は用途によって、また教える人によって違っています。

 

よく、「あおむけに寝て鼻から息を吸うと、お腹がふくれるでしょ、これが腹式呼吸。」というのを聞きますが、この説明だけでは、セリフや歌を歌う時の支えとして使うには、用途が違うと思います

 

f:id:engekilab:20190511155348j:plain

 

 

 

息はどこに入るか知っていますか。

 

息は肺にしか入りません。

 

お腹に息が入ることはありません。

 

息をお腹にいれるとどうなるでしょう。

 

はい。ゲップになります。

 

ではなぜ、お腹に入らないのに腹式呼吸なんて言うのでしょうか。

 

腹式呼吸とはどういったものか、まずは胸式呼吸と、腹式呼吸の違いから説明していきます

 

腹式呼吸と胸式呼吸

f:id:engekilab:20190517223742j:plain

 

先に書いた通り、息は肺に入ります。

 

呼吸するためにには、横隔膜を下げるか、肋間筋を広げて肺に空気を入れなければなりません。

 

胸式呼吸では肋間筋、腹式呼吸では横隔膜を使います。

 

このとき使う筋肉によって、腹式と胸式に分かれるのです。

 

胸式呼吸

試しに肋骨のところに両手をあて、そこを大きく膨らませながら息を吸ってみましょう。

 

そうすることで、胸が大きく上がるのが分かると思います。

 

息を吐くともとの位置に戻っていきます。

このように肋間筋を広げてできた隙間に、肺も広がり息が入り、肋間筋をもとに戻すことで肺ももとに戻り息が出て行くこれが胸式呼吸の仕組みになります。

 

胸式呼吸では、息が一気に出てしまい、息がかった小さく弱い声にしかなりません。

 

だからと言って大きく強い声を出そうとすると、息を一定に出すために喉の周りの筋肉を使って喉を締め付けなければならなくなります。

 

そうなるとキンキンと硬い声になり、声帯を痛めやすくなってしまいます。

 

良い声を出すためには、喉の周りの筋肉をリラックスさせ、のどの奥を広くする必要があります。

 

そうすることで声帯振動でできた音が顔の中心の鼻腔に共鳴し、とても良い声になります。

 

胸式呼吸だと、それが不可能な状態になるため、良い声を出すことに向いていないのです。

 

腹式呼吸

f:id:engekilab:20190514195334j:plain

 

腹式呼吸には横隔膜を使います。


横隔膜は筋肉と腱でできている薄い膜です。ちょうど鳩尾(みぞおち)くらいの位置にあります。


この横隔膜を下げる(正確には収縮させる)ことで肺が縦に広がって息が入ります。

 

お腹が膨らむのは横隔膜を下げたことにより、内臓が押し出されるからです。

 

そして息を吐くことで横隔膜がもとの位置に戻り、お腹が縮まっていきます。

 

この動きのおかげて息を一定に出すことができ、声帯にバランスの良い量と強さの息が当たるようになり、負担なく声が出ます。

 

喉をリラックスさせた状態(喉をあけた状態に)になるため、鼻腔に音が共鳴した良い声を出すことができます。

ちなみに発声のトレーニングの中では、一定に息を吐くこと力のことを「支え」と言います。


お腹から声を出すという感覚は、この「支え」のことを指します。

 

胸式呼吸ではこの「支え」がうまくできず、腹式呼吸ではできる。これが一番大きな違いです。

 

腹式呼吸による支えの作り方

 

f:id:engekilab:20190518081052j:plain

腹式呼吸では横隔膜と使うと紹介しましたが、横隔膜そのものは自分の意思で動かすことはできません。

 

横隔膜の周辺の筋肉を使って、横隔膜を押し下げるのです。

 

よく床に寝て、「お腹の動きを意識しましょう」と言われるため、腹筋のみで呼吸を支えようとしている人は多いのではないでしょうか。

 

横隔膜を押し下げる筋肉は、腹筋のみでなく背筋やいろいろな筋肉を使います。

 

ですから、息を吸うときは、お腹の前面を膨らませるイメージではなく、胴全体を膨らませるイメージをしてみてください。

 

充実した息を吸えたときには、背中に手を当てると背中まで膨らんでいるのがわかります。

 

そして、息を吸ったことによって膨らんだ身体は息を吐くことで、縮まろうとします。

 

この縮もうとする身体を、息を吐きながらも、縮まらないように抵抗していくと、息の出るスピードをコントロールし出来ると思います。

 

このコントロールできることが支えの入った状態と言えます。

 

この支えを持った息を吐くことが、腹式呼吸の目的なのです。

 

まとめ

 

f:id:engekilab:20190512082031j:plain

腹式呼吸は、お腹を膨らませて呼吸することが目的なのではなく、横隔膜周辺の筋肉を総動員して、深い充実した息を吸い、その息を支えてコントロールすることが目的なのです。

 

セリフをしゃべるには、支えを持った、コントロールされた息が不可欠です。

 

しっかり腹式呼吸をしてください。

 

今回は以上です

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます

 

ご意見・ご感想などありましたら、コメント欄に書き込んでいただけたら嬉しいです。

 

無料メルマガはこちら↓

f:id:engekilab:20190527220049j:plain