一本調子になってしまうセリフは直るのか?
ペーいちです。
セリフが一本調子になってるよと言われるひと。
案外多いのではないでしょうか。
自分では、感情を出しているつもりでも、変化をつけているつもりでも、客観的に聞くと直っていないことの多々あります。
一本調子になってしまうと、怒りや悲しみや喜びなどの表現をしようとしているのは分かるけど、心が動いていないように見えてしまうんですよね。
そうなると、ロボットがしゃべってるみたいに見えてしまうんですよね。
ちょっと避けたい事態ですね。
だって、私たちは人間だもの。
では、なぜそうなってしまうのか。
どうやって直すのか、具体的に考えていきましょう。
なぜ一本調子になってしまうのか
雰囲気で演じているからだと思います。
台本の解釈がきちんとできていないうえに、役の思考を追いかけることもしていないから、出来ないのです。
セリフの字面だけで、「あ、このセリフ怒っているみたいだから、怒ればいいんだ」なんてやっていませんか。
なぜ怒っているのか、なにに怒っているのか、分析することなしに演じてしまっていませんか。
何を考えているのかは、セリフの一言一言で変わっているはずですよ。
セリフの前に、しっかり感じていますか。
人は、見て、聴いて、感じて、心が動いて、呼吸が変わって、初めて、行動をとります。
一本調子に聞こえるのは、心が動いていないからでもあります。
セリフ一つ一つで、心の動きは変わっているはずです。
怒っていても、心は動き続けているわけで、だからこそ、一言一言で言い方が変わるのです。
対処法
ではどうすれば、一本調子は治るのでしょう。
答えは簡単です。
まずは、台本をちゃんと理解するところから始めましょう。
基本的に、台本を読むときは、文頭から「。」までを一つの思考として読みます。
これだけ押さえておけば、まず第一段階クリアです。
つぎに、セリフ一つ一つにどのような役の人物の思考が込められているのかを考えます。
そして、なにを感じてその思考が引き出されたのか、感じるポイントを見つけていきます。
つまり、見て聴いて感じて心が動いて、ということができれば、自然と呼吸は変わります。
呼吸が変わればセリフの出方もおのずとその呼吸に合わせたものになります。
こうしてセリフ一つ一つを検証したうえで、セリフを出していけば、一本調子は勝手に直ってくれます。
まとめ
一本調子だと心が動いているように見えないので、ロボットみたいに見えてしまいます。
なおすためには、台本の理解度を深め、そのうえで、いかに、見て、聴いて、感じて、心が動くということを作っていくことが大事です。
今回は以上です
最後まで読んでいただいてありがとうございます
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演技が下手だと思われないために
ぺーいちです。
誰でも、「下手な俳優」とは言われたくないですよね。
アンケートに「あの俳優さん下手だったね」なんて書かれた日には、数日は落ち込んでしまいます。
今回は、下手な俳優と言われないために、
・セリフをちゃんと喋る
・役の呼吸で演技する
という2点について注意しましょう
それでは、それぞれに関して具体的に説明していきます。
セリフをちゃんとしゃべる
これまでの記事でも、結構書いてきましたが、セリフの下手な俳優さんは、そのほかのことができていても「下手」って言われちゃうんですよね。
ちゃんと客席に届く発声で、聞き取りやすい響きをもって、イントネーションやアクセントを守って、リズム感のあるセリフをしゃべる。
ただそれだけで、お客さんからは、上手いとまでは思わないまでも、下手と言われることは激減します。
以前、「ER」でグリーン先生の吹き替えで声優もしていらっしゃる舞台役者さんに、ご縁があって、演出家として来ていただいたことがあります。
その方は日ごろ「深い感情があればセリフなんて少々聞き取りづらくても、お客さんは受け取ってくれる」とおっしゃっているそうですが、稽古場ではアマチュアの出演者たちの発声発音を徹底的に直していました。
「それは聞き取れないよ」「そこの音がつぶれてるからクリアに出して」などのダメ出しが多く、とても「深い感情があればセリフなんて少々聞き取りづらくても、お客さんは受け取ってくれる」といってるとは思えませんでした。
結局、演出を受けたアマチュア俳優さんたちの技量が、感性をのせて演技するには、発声発音の基礎力が足りていないから、そういうダメ出しに終始したんだろうと思います。
もしあなたがプロの俳優を目指すなら、発声発音の基礎ができていなければ、スタートラインに立つことさえできない、とういことかもしれません。
とはいえ、未経験でいきなり、感情表出の能力と生まれつきの滑舌の良さだけでオーディションに合格してしまう天才もいますが、そんな天才はそもそもこのブログを読んでいませんよね。
役の呼吸で演技をする
よく役を生きるなんて言い方をする場合があります。
役を生きるというのは、なかなかに難しいことです。
役になりきるという状態のことではありません。
下手な演技を表す言葉の一つに、クサイ演技という言葉があります。
クサイ演技が下手な演技ということを指すのなら、上手い演技はどういう匂いがするのでしょう。
演技が上手くなればなるほど、匂いは消えていき、一旦無臭になります。
クサイ芝居というのは、
「上手く見せてやろう」
「こうしたら面白いだろう?」
「俺ってサイコーにかっこいい」
とかいう、演じている俳優の欲が見える時のことを言うんだと思います。
上手い俳優さんは、その役を生きているのであり、上手く演じてやろうという欲が顔を出すことはありません。
その役の人物が存在しているのであり、その役の人としての反応をしているのです。
なので見ている観客からすると、あまりにも上手い俳優の演じる自然な演技は、ともすれば、「なにもしていない」ように見え、演技をしていないように見えます。
名優、緒形拳さんが生前、演じない役者を目指している、と言っていたのもこういうことなんだと思います。
しかし、いざ自分が、セリフを与えられて、舞台上や稽古場などで、他人に見られながら「演技をする」ということをやってみると、なんとぎこちなく、必要以上にオーバーな演技をしてしまうことが多いです。
そこではじめて「自然な演技のむずかしさ」に気付くのです。
では、この自然な演技をするための、役を生きるための手掛かりとして、まず役の呼吸を意識することが重要です。
生きるためには、呼吸をしなければ生きていけませんよね。
役の呼吸で呼吸しないから、その役が生きてこないのです。
人は、言葉を発するとか、手を動かしたり、移動したり、視線を動かすにしても、何かアクションを起こす前には、必ず呼吸が変わります。
台本上に書かれていることをなぞろうとすると、この呼吸が変わらないまま、いきなり怒り出したり、泣き出したりとなってしまったりします。
気持ち悪いことこの上ないです
俳優は日常生活において当たり前にやっている、この呼吸の変化を、役の置かれた状況、状態に合わせて利用すればいいのです。
この呼吸が変わるというのは、心が動くことによって生じます。
そして心が動くのは、何かを感じたからです。
つまりは、見たり、聞いたり、触ったり、食べたり、匂いを嗅いだりして、感じることによって、心が動き、呼吸が変わり、行動が起こるということです。
このことを理解して演技をしてゆくことにより、より自然な演技につながっていきます。
まとめ
演技が下手と思われないためには、まず、基礎的な発声発音を鍛えてしっかりとセリフをしゃべること。
というか、そもそもこれができていないとお話になりません。
そして、役の呼吸で演技をすること。
見たり聞いたりして感じて、心が動く、心が動くと呼吸が変わる。そして行動が起こる。
この2点をしっかり押さえておけば、とりあえずは下手とは言われないことでしょう。
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セリフでなにを伝えるの? ~WJって言葉を知ってますか?~
ぺーいちです。
演劇において、たいていの作品には台本があって、セリフがありますよね。
「感情さえあれば、セリフなんてなくても伝わるもんだ」
なんていう人もいますが、
では、なぜセリフなんてものがあるのでしょうか。
セリフで何を伝えるのか、これを理解すれば、演技の幅が広がっていくので、ぜひ読んでみてください。
セリフで伝えるべきことはWJ(ダブルジェイ)
いきなり、よくわからない言葉が出てきましたね。
果たしてこれは何でしょうか?
正解は「情報」と「情感」のことです。
二つの言葉の頭文字を取って「WJ」と言っています。
この「情報」と「情感」のどちらか一つ欠けても、セリフはお客様に届かないものだと考えています。
逆に、この二つがそろって初めて、お客さまから「共感」を引き出すことができます。
「情報」
「情報」とは、演技においては、台本に書かれているセリフ。
この文字情報を音声にして、お客様に正確に伝えることが大切です
この役がどんな人物で、どういう状態に置かれていて、ほかの役とはどんな関係で、なにを考えているかなどの「情報」として、お客様にお伝えしなければなりません。
そうでなければ、この役が何者で、どんな状況、状態に置かれているのか。
ここはどこなのか。
他の役との関係性はどうなっているのか。
などの物語の背景となる「情報」の大半は、言葉によってお客様に提示されます。
もしこの「情報」がよくわからないまま、お芝居が進んでいったら、なんとなく、「気持ちは分かる」けれど、この物語は何だったんだろう、と観劇後の疑問をのこすことになってしまいます。
余談ですが、台本があって、「情報」に特化した職業がありますが、なんだかわかりますか。
ニュースキャスターです。
ニュースキャスターは、その日のニュースという「情報」を音声化して伝える職業です。
ここに自分の思想や感情を乗せると、中立を保てなくなってしまいますよね
感情的にニュースを読んでしまうと、言葉がつぶれたり、早くなったりして、情報を情報として視聴者に伝えることができなくなってしまいます。
だから、余計な抑揚をつけずに、正確に、淡々とニュースを原稿を読みます。
「情感」
「情感」とは、その時その場で、その役がどんな感情でいるのか、どんな気持ちでいるのか、といったことです。
そもそも、この「情感」がなければ、お客様に何の感動も与えることはできませんし、ここでブログを読んでくださっているあなたも、演劇なんかやっていないでしょう。
しかし、この「情感」というやつは、なかなかの曲者です。
強く情感を出そうとすればするほど、言葉や体の動きが雑になってしまいがちになり、伝えるべき「情報」が伝わらなくなってしまします。
まとめ
セリフで伝えるべきものは「WJ(ダブルジェイ)」
セリフを通じて、高いレベルで、「情報」と「情感」を両立して伝えることで、お客様からの「共感」を引き出すことができます。
しかし、この二つのバランスは非常に難しく、「情報」に偏りすぎれば、ニュースキャスターのようになってしまい、面白くも何ともないものになってしまいます。
「情感」に偏りすぎれば、なにを言っているのかわからない状態になって、お客様が物語を理解できなくなってしまいます。
このバランスを高いレベルで両立していかなければ、演技の上達はありません。
「情感」をのせても崩れないだけの基礎力をつけるために、しっかり基礎訓練を重ねて、技術の底上げをしていきましょう。
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セリフは割ってしゃべろう
ぺーいちです。
セリフと動きを共動させることって案外難しいんですよね
今回はセリフを割ってしゃべるということを説明していきます
これができるようになると、いままでより、より深い演劇的快感を得られることとなるでしょう
セリフを言いながら動く
「ですからね、私は言ってやったんですよ、そのこと自体はそれで済むかもしれませんけど、後で必ず問題を起こしますよって・・・。だってそうでしょう・・・?」
このセリフ、なんてことないセリフですが、セリフを言いながら動くことは、演技上自然に行われなければなりません。
例えば、たばこを一本取りだして火をつけながら。
例えば、お茶っ葉の準備から、お茶を入れながら。
日常ではこうした行為を、苦も無くこなしていますが、演劇空間という特殊な場では、ギクシャクしたり、どちらか一方になりがちです。
所作の停止がセリフの開始、セリフの停止が所作の開始では、舞台上の流動性が失われてしまいます。
解説
タバコを吸うという場合、「ポケットからケースを出す」「ケースから1本引き抜く」「口にくわえる」「口にくわえたそれに火をつける」「吸って吐く」「口から煙草を離す」と、いくつかの動作があります。
台本のト書きにはそこまで指定されていないことが多く、ただ「煙草を出して吸いながら」となっていることが多いです。
どのように演じるか例をやってみると、
ですからね、(たばこのケースを取り出して一本引き抜く)私は言ってやったんですよ、(ライターを探しながら)そのこと自体は(ライターが見つからない)それで済むかもしれませんけど、(ライターが見つかり、煙草を口にくわえて火をつける、煙をひと息はいてから)後で必ず問題を起こしますよって・・・。(もう一度煙草を吸ってから)・・・だってそうでしょう。
とこんな感じになるのではないでしょうか。
もちろんこれが正解というわけでもありませんが、その俳優さんそれぞれに正解があると思います。
しっくりくるところを、日常生活で自分がどのようにやっているのか考えながら探してみてください。
注意すべき点
こつを飲み込んで余裕ができてくると、余分な動作を加えたくなってきます。
「にもかかわらず、セリフは切れてないだろう」ということを誇り、おそらくここに演劇的快感を感じ取ることができるようになります。
この種の演劇的快感は一見地味ですが、かなり重要なものです。
しかし、あまりやりすぎると、嫌味になったり、鼻についたりします。
演技を手馴づけているという自信が、こういったテクニックを生み出すのではありますが、逆に「手馴づけられない芝居」に」逆襲されることになります。
ですから、注意を要するテクニックではありますが、「演技」を「演技」として体感する最初の手掛かりとなるものと言えます
まとめ
セリフを言いながら、不自然ではないという動きは、日常生活の中で当たり前にやっていることですが、いざ演劇空間の中でやろうとすると不自然になりがちです。
これができるようになると、演技をしているという快感を得らるものですが、やりすぎると、逆に鼻につく、嫌みな演技になってしまいます。
良いバランスでできるようになれば、一つ階段を登れると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます
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舞台は上手から下手に向けて緩やかな風が吹いている
ペーいちです。
今回はなんだか難しいことを言ってるなと思われるかもしれませんが、大事なことなので、頑張って書きます
この感覚を持っているのといないのとでは、舞台での歩き方やほかの出演者との立ち位置の取り方など、大きな差が生まれます。
ぜひ、理解して演技の幅を広げてください。
名画モナリザと真珠の耳飾りの少女
まずは、この名画、ご存知ですよね。
そう、レオナルド・ダ・ビンチの「モナ・リザ」
さらに、
これらの名画もこの法則に従っていることに気づきますか。
モナリザは、体は上手から吹く風に身をゆだねて下手方向に向いています。そして少しだけ顔を上手方向に柔らかく振り返らせています。
フェルメールの絵も、体は上手から下手に向けて流れていますが、顔を大きく振り向かせて、ダイナミズムを持たせています。
上手から下手に向かって吹く風を、上手く取り入れて書かれています。
これらの名画だけでなく、絵本や舞台などを見ても多くはこの法則に従っています。
上手がホーム、下手がアウェイ
上手がホームで下手がアウェイというように捉えればわかりやすいと思います。
家を出るときは上手から下手に向かって出発する。
道中は意気揚々と目的地に向かっているときは下手から上手に、意気消沈してトボトボ歩いているときには上手から下手に移動する。
目的地に着いた時には下手から登場する。
なんとなく、こんな感じのイメージになりませんか。
吉本新喜劇は、まさにこの上手から下手に吹く風というもの、上手がホーム、下手がアウェイということを踏まえてセットを作っていますね。
お店のセットで、入り口は必ず下手にあり、お客は下手から登場し、お店の人は上手から登場しています。
まとめ
このような特性を理解すると、舞台上の立ち位置や、ほかの出演者との関係性を見せる上でも随分と演じやすくなるのではないでしょうか。
ラスボスが舞台上にいて、勇者が走りこんできて対峙するなんて時、なんとなく下手から走りこんできたほうがそれっぽくないですか。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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舞台を歩く
ぺーいちです。
別の記事 「舞台は上手から下手に向けて緩やかな風が吹いている」で、舞台上には上手から下手に風が吹いていると説明しました。
今回は、それを踏まえて、舞台を歩いてみましょう。
舞台を歩いてみよう
舞台の上手袖に立ち、それからゆっくり歩いて舞台を横切り下手袖に引っ込みます。
この時、上手袖を出発すると同時に観客の視線が集まり、下手袖に引っ込むと同時にそれが失われるということを、全身の皮膚感覚で感じ取ってください。
観客の視線を意識し、上手から下手の吹く風を感じながら歩いてみましょう。上手から下手に歩くときは追い風、下手から上手に歩くときは逆風を感じて歩いてください
舞台で立ち止まる
その感覚がつかめてきたら、今度は舞台上で立ち止まってみましょう。
舞台上のさまざまな場所で、様々なニュアンス、格好で立ち止まってみます。
そしてまた歩き出します。
舞台上で立ち止まることは、日常生活においてただ立ち止まるというのとは違います。止まり方やその位置で意味を生じてしまうので注意が必要なことです。
止まるというのは実は難しいことなんです。
人が立ち止まるには、立ち止まる理由があるからです。
その理由にのっとって止まらなければ、演技者の肉体的体験は観客の肉体的体験の追随につながりません。
歩いてきたな、止まったな、というのは観客が最も受け取りやすいものですが、これは、言葉と同じで記号にすぎず、演劇的とは言えません。
目線による演技も極力省くようにしましょう。目は口ほどにものを言い、演技を単純な記号にすることが多々ありますので、目は効果的に使いましょう。
ここでは、目より肉体で表すようにします。
まとめ
ぜひとも、今回の内容を踏まえて、稽古場などで実際に歩いてみてください。
これまでと違った演劇的感覚があなたに訪れることだと思います。
今回は以上です
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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舞台空間とはなにか ~物理的空間と心理的空間~
ぺーいちです。
なんか禅問答のような問いですが、あなたは説明できますか。
これを理解すると舞台上での振る舞いが随分と楽になるので、ぜひ覚えていてもらいたいです。
舞台空間とはなにか
演出家であり脚本家でもある演劇界の巨人、別役実先生は、
「舞台空間は、そこにある限られた物理的空間であると同時に、観客の思いに支えられた心理的空間でもある。」
と定義しています。
この重層性が「舞台に立つ」ということを、単に「舞台に立つ」だけのことと区別しています。
舞台の心理的側面を理解しなければ、演劇的快感は得られません。
目に見えない空間の癖
舞台空間が持つ癖に従って、まず心理的空間である側面に体を馴染ませなければなりません。心理的空間の特異さを感知できるかどうかが、演技の違いに現れてきます。
①舞台には上手から下手に向けて緩やかな風が吹いている
②物には気配がある。人物がそれを感知することによってのみそれはそこに存在する
③舞台空間には「核」がある。芝居はそれを拠り所として広がる
④舞台空間は人物がそこに入り込むことによってはじめて、色づき、単なる物理的空間でないものになる
まとめ
物理的に「舞台に立つ」ということは誰にでもできますが、心理的空間でもある「舞台に立つ」ことは訓練された演技者でなければできません。
そのためにも、日々の鍛錬が大事です。
一緒に頑張っていきましょう
(注)