台本を読み解く
ペーいちです
台本を理解すること。
演劇ではとても大事なことですよね。
台本は読むだけではなく、分析をすることが大事です。
分析ができていないと上手い演技はできません。
ただ書いてあるセリフをなぞっているだけでは下手と言われてしまうかもしれません。
でも、自分では何度も読み返して理解しているつもりでも
「全然読み込めていない」とダメ出しされたり、「ちゃんと台本を読んで来い」と言われたり、そんなことはないですか。
台本を分析していくための順番やポイントを理解できていないかもしれません
今回は、そのポイントと順番を紹介していきます
台本を分析するための基本
台本を分析する上で重要になのは、
「情報」と「情感」です
「情報」とは客観的情報
「情感」とは主観的な考え
これをしっかり切り離して考えることです
このとき3つの視点からとらえることが必要になってきます
台本分析のための3つの視点
台本を分析するために必要な3つの視点とは
- 作家の視点
- キャラクターの視点
- 役者の視点
この3つです。
上から順番に客観→主観に変わっていく流れでもあります。
主観が強すぎると、ナルシストな演技になってしまったり、自己中心的になってしまったり、なにを演じても「自分」になってしまいます
台本分析は客観的情報を集めるところから始まりますが、多くの人は主観から始めようとしてしまいます。
順序が逆だからうまくいかなくなるのです。
主観から始めてしまうと、本来の物語の道筋から外れてしまうのです。
だから、
- 作家の視点
- キャラクターの視点
- 役者の視点
この道筋で進めていくと上手くいくのです
作家の視点
物語の一番客観的な視点が作家の視点です。
これはト書きに書かれています
いつ、どこで、誰が、という情報
つまり場面設定と登場人物ですね。
このほかにもト書きには演技に必要な情報が詰め込まれています。
これらを無視して分析をすることはできません。
そしてこれらは演じるために最低限必要な情報です。
また、作家視点で読み進めていくことで、物語の起承転結がどこにあるのか。
作者が面白いと感じているポイントはどこなのか。
作者が埋め込んだロジックや、作品の伏線、ギミックなどを発見することもできます。
キャラクターの視点
キャラクターの視点はさらにいくつかの視点に分かれます
1はト書きと同じで「情報」です
2はある人に対する「情報」と、キャラクターがある人に対する「考え」
3は自分自身に対する「情報」と「考え」です
ここで注意しなければならないのは、「情報」は客観であり「考え」は主観だということです。
情報と考えは区別してとらえなければなりません
例えば「あの猫、まじかわいい」というセリフがあったとします。
このセリフでは「あの猫」が情報で「まじかわいい」が考えになります。
ここでAがBにたいして、「お前、可愛いな」というセリフがあったとします。
これを「Bは可愛い」という情報として認識する人も多いでしょう
しかし、これは「AがBのことを可愛いと思っている」という主観的な考えとして処理しなければなりません
分析の順番として客観→主観が重要です
自分の演じる役のセリフだけ分析しても、「主観的分析」のなってしまうので、相手のセリフから、自分の役の情報と自分の役に対する考えと得ることが客観的に分析するために必要なことになります。
そしてここから、そのキャラクターが「何を考え」行動するのかということを導き出していきます
役者の視点
役者の視点での分析は2点あります
- 推測や類推
- 個人的想像
1は「その考えの根拠を台本上で提示できること」が必要になってきます。
台本には明確な言葉として書かれていないけれど、やり取りから推測するとこうではないか、という考えのことです
根拠として提示できないことは、個人的想像です
「台本のどこを読んだらそんなことにになるんだ」
と言われた時は、「個人的想像」に頼りすぎているということです
台本を理解するために、分析をしていく当たっては、客観的な視点からはじめて
主観に移っていくという道順で進めてください。
「個人的想像」から始めてしまう人は多いですが、「個人的想像」は最も主観的な考えなので、分析の最後に行うことです。
個人的想像から始めると、キャラクターがぶれるだけでなく、物語そのものをゆがめてしまう可能性もあります
まとめ
演劇にとって台本の分析は、一番大事なことです。
まず情報として、いわゆる5W1Hを理解することができてなければ、物語そのものがなんだかわからなくなってしまいます。
他の役からどのようにみられているのか理解していなければ、どんな人物であるのか理解しないまま演技をしてしまうことになりかねません。
そして、分析をちゃんと取り組むことなく、個人的想像だけで演技を作っていしまうと、
自己中心的でナルシストで気持ち悪い演技なってしまうかもしれません。