発声発音練習は発声発音のためだけにするものではない
発声練習ペーいちです
発声練習をしっかりやっていくと、思わぬ副産物が生まれます。
今回はその副産物について書いていこうと思います。
副産物としては
- 姿勢が良くなる
- 声の響きの位置がわかるようになる
- 滑舌にしなくてもいいようになるので、表現の幅が広がる
- 自分の体が、それまでよりも自由に動かせるようになる
といったとこでしょうか。
それぞれについて解説をしていきます。
姿勢が良くなる
良い声は良い姿勢から生まれます。
しっかりした支えを作るためには猫背になっていたり、あまり反り返っていたりしてはできません。
発声練習のたびに、自分の姿勢をチェックしながらやっていくうちに、自分にとってのベストな姿勢がわかってきます。
これがこのまま舞台に立つときのニュートラルな立ち姿になってきます。
舞台上で、猫背で首を突き出したような姿勢で立っているのはカッコ悪いですよね。
やはり発声練習で、しっかり姿勢を気にして取り組んでいる人の立ち姿は美しいです。
声の響きの位置がわかるようになる
声を出していると、自分の声はどこに響かせればよいのか、ということがだんだんわかってきます。
声がどこに響いているのかが分かるようになれば、その響きを集めて、狙った方向に響かせることもできるようになります。
たとえば、舞台奥に向いたままセリフをしゃべるとき、通常であれば、声は客席には届きにくくなります。
しかし、声の響きの位置を意識して自分の背中に集めるようにすると、奥を向いていても客席に届く声を出すことができます。
立った状態では声は体を離れて遠くまで届くのですが、座ると声が飛びにくくなってしまいます。そんな時には、仙骨に響かせる意識を持つと、空間全体に響いて声が届くようになります。
響きの位置をコントロールすることによって、どんな体勢からでも客席に届くセリフを吐けるようになるのです。
滑舌を気にしなくてもよくなるので表現の幅が広がる
発声のスキルが上がってくると、セリフを出すときに気にしなければならないことが減ってきます。
例えば、自動車を運転するとき、はじめてハンドルを握ったときは、アクセルやブレーキの位置、踏み加減、ハンドル操作などいろんなことに手いっぱいで、前を見て運転することもおぼつかなかっただろうと思います。
しかし、ある程度操作に慣れれば、前をよく見て、後方や周囲にも気を配りながら運転することができるようになったはずです。
それと同じことで、気にしなくてもできること一つ増えれば、その分ほかのことに集中することが出来ようになります。
人間は同時にいくつものことはできません。一つ気を付ければ一つおろそかになる。
気を付けなければできないことを、気を付けなくてもできるようになれば、その分一つチャンネルが空くことになるので、そこに、ほかの気を付けるべきことを入れることができれば、演技の幅は広がります
自分の体が、それまでよりも自由に動かせるようになる
声を発する際には、実は非常に多くの筋肉を同時に連携させています。
口の中の口蓋周辺の筋肉、舌、声帯とその周辺、喉、肩回り、横隔膜を支える筋肉群と腹筋、脚など言うなれば全身の筋肉を使って、連携させて声が出ます。
発声発音を訓練するということは、全身の筋肉を意図的に、しかも微妙な力加減によってコントロールして連携させるということです。
聞いただけでも複雑で難しいことを訓練するわけです。
しかも、発声に必要な筋肉は、腕や足など普段から意図的に使っている部位と違って、普段は無意識に使っていてなかなか思い通りに動いてくれない部分ばかりです。
声が自在に操れるということは、それらの筋肉が自在に操れるようになってきたということです。
そうなると、腕や足など、普段から動かしやすい部分も含めて、体がそれまでよりもずっと動かしやすくなっているはずです。
発声発音が思い通りになってくると、自分のイメージしたとおりに体は動いてくれるようになってきます。
まとめ
発声発音練習は必ずしも、セリフを正確に喋るためのもの、滑舌をよくするためだけのものではありません。
発声発音練習をすることが、セリフ以外の演技の上達にも必ずつながってきます。
基礎訓練なので退屈だし、面白くないものかもしれませんが、しっかり取り組んでいきましょう
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