セリフでなにを伝えるの? ~WJって言葉を知ってますか?~
ぺーいちです。
演劇において、たいていの作品には台本があって、セリフがありますよね。
「感情さえあれば、セリフなんてなくても伝わるもんだ」
なんていう人もいますが、
では、なぜセリフなんてものがあるのでしょうか。
セリフで何を伝えるのか、これを理解すれば、演技の幅が広がっていくので、ぜひ読んでみてください。
セリフで伝えるべきことはWJ(ダブルジェイ)
いきなり、よくわからない言葉が出てきましたね。
果たしてこれは何でしょうか?
正解は「情報」と「情感」のことです。
二つの言葉の頭文字を取って「WJ」と言っています。
この「情報」と「情感」のどちらか一つ欠けても、セリフはお客様に届かないものだと考えています。
逆に、この二つがそろって初めて、お客さまから「共感」を引き出すことができます。
「情報」
「情報」とは、演技においては、台本に書かれているセリフ。
この文字情報を音声にして、お客様に正確に伝えることが大切です
この役がどんな人物で、どういう状態に置かれていて、ほかの役とはどんな関係で、なにを考えているかなどの「情報」として、お客様にお伝えしなければなりません。
そうでなければ、この役が何者で、どんな状況、状態に置かれているのか。
ここはどこなのか。
他の役との関係性はどうなっているのか。
などの物語の背景となる「情報」の大半は、言葉によってお客様に提示されます。
もしこの「情報」がよくわからないまま、お芝居が進んでいったら、なんとなく、「気持ちは分かる」けれど、この物語は何だったんだろう、と観劇後の疑問をのこすことになってしまいます。
余談ですが、台本があって、「情報」に特化した職業がありますが、なんだかわかりますか。
ニュースキャスターです。
ニュースキャスターは、その日のニュースという「情報」を音声化して伝える職業です。
ここに自分の思想や感情を乗せると、中立を保てなくなってしまいますよね
感情的にニュースを読んでしまうと、言葉がつぶれたり、早くなったりして、情報を情報として視聴者に伝えることができなくなってしまいます。
だから、余計な抑揚をつけずに、正確に、淡々とニュースを原稿を読みます。
「情感」
「情感」とは、その時その場で、その役がどんな感情でいるのか、どんな気持ちでいるのか、といったことです。
そもそも、この「情感」がなければ、お客様に何の感動も与えることはできませんし、ここでブログを読んでくださっているあなたも、演劇なんかやっていないでしょう。
しかし、この「情感」というやつは、なかなかの曲者です。
強く情感を出そうとすればするほど、言葉や体の動きが雑になってしまいがちになり、伝えるべき「情報」が伝わらなくなってしまします。
まとめ
セリフで伝えるべきものは「WJ(ダブルジェイ)」
セリフを通じて、高いレベルで、「情報」と「情感」を両立して伝えることで、お客様からの「共感」を引き出すことができます。
しかし、この二つのバランスは非常に難しく、「情報」に偏りすぎれば、ニュースキャスターのようになってしまい、面白くも何ともないものになってしまいます。
「情感」に偏りすぎれば、なにを言っているのかわからない状態になって、お客様が物語を理解できなくなってしまいます。
このバランスを高いレベルで両立していかなければ、演技の上達はありません。
「情感」をのせても崩れないだけの基礎力をつけるために、しっかり基礎訓練を重ねて、技術の底上げをしていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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