舞台の怖さ~自分が意図した姿と観客に見えている姿はちがう~
ペーいちです。
今回は、舞台の怖さについて書いていきたいと思います。
あなたは舞台上で「怖い」と感じるときはどんな時ですか。
セリフが出てこないとか、段取りを忘れるとか、観客が無反応とかいろいろあるだろうと思います。
私が一番怖いと思うのは、自分が意図した姿、伝えたいことが、全く違う意図として観客に伝わってしまうことです。
セリフだとか段取りだとかは、忘れないようにとにかく繰り返し練習するしかありません。だから、そこらへんは絶対の自信をもって舞台に上がれるよう努力すればいいだけです。
たとえば、とても深い悲しみに包まれているシーンのはずなのに、笑っているように見られてしまうとか、恋人同士の役なのに、仲が悪いように見えてしまったり。
これは、役の感情を優先するあまり、見え方を考えていなかったり、役ではなく、俳優の感覚で演じてしまっていたりするとよく起こります。
やはり自分が伝えたいことが、誤解されて観客に伝わると嫌ですよね。
作品の伝えたいことも間違って伝わってしまいかねませんしね。
自分の思っている姿と、観客から見える姿を一致させる事でこれらの問題は解決していくことができます。
まずは、無意識にやっていることが思わぬ意味を生み出してしまうということの自覚から始めてみましょう。
ではどのようにやっていくのか説明していきますね。
ワーク
用意するものは笛と複数人の俳優です。
笛がなければ、手をたたくでも、声でやってもいいです。
まず、俳優を舞台上にバランスよく配置します。
合図で舞台上を歩き始めます。
笛が鳴ると、俳優は条件反射的に進む向きを変えてください。
俳優は意図をもって移動しないでください。何も考えず、ただ歩いて、ターンしてを繰り返してください。
舞台端まで行ってしまったら、笛が鳴っていなくても、回れ右して舞台上から出ないようにしてください。
何度か笛を吹いて向きを変えて、ストップの合図を出します。
ストップの合図が出たら俳優は、ストップの合図が出たときの位置と姿勢のまま止まってください。
この時、舞台の外から見ている人は、俳優同士の関係性がどう見えるかをコメントしてください。
意図を持たずにやったことであるにもかかわらず、見る人にはよっていろいろな関係性やドラマを感じ取ってしまうことだと思います。
このワークは、舞台の広さにもよりますが、舞台上は4~6人くらいでやるといいでしょう。
このワークを通じて、自分が意図する、意図しないにかかわらず、客席の観客は見えたものから意味を探ろうとするものだと自覚をしてください。
そのうえで、自分の見せたい姿、意図した演技が、観客にどう見えているのか考えながら稽古を重ねってもらえたらと思います。
まとめ
私は、このワークを初めてやったとき、「舞台ってとても怖い」と感じました。
全く意図を持たずにやったことが、見ている人にとっては、こうまで意味をもって伝わってしまうのかと。
逆に、自分が意図してやった演技が、どれほど観客に伝わっているのかという不安感も大きくなりました。
しかし、このことを知っているのといないのとでは、大きな違いだと思います。
まずはこのワークを通じて、意図していないことであっても、見ている側に対して大きな意味を与えてしまうということを自覚するところから始めてみてください
今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます
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