演技が下手だと思われないために
ぺーいちです。
誰でも、「下手な俳優」とは言われたくないですよね。
アンケートに「あの俳優さん下手だったね」なんて書かれた日には、数日は落ち込んでしまいます。
今回は、下手な俳優と言われないために、
・セリフをちゃんと喋る
・役の呼吸で演技する
という2点について注意しましょう
それでは、それぞれに関して具体的に説明していきます。
セリフをちゃんとしゃべる
これまでの記事でも、結構書いてきましたが、セリフの下手な俳優さんは、そのほかのことができていても「下手」って言われちゃうんですよね。
ちゃんと客席に届く発声で、聞き取りやすい響きをもって、イントネーションやアクセントを守って、リズム感のあるセリフをしゃべる。
ただそれだけで、お客さんからは、上手いとまでは思わないまでも、下手と言われることは激減します。
以前、「ER」でグリーン先生の吹き替えで声優もしていらっしゃる舞台役者さんに、ご縁があって、演出家として来ていただいたことがあります。
その方は日ごろ「深い感情があればセリフなんて少々聞き取りづらくても、お客さんは受け取ってくれる」とおっしゃっているそうですが、稽古場ではアマチュアの出演者たちの発声発音を徹底的に直していました。
「それは聞き取れないよ」「そこの音がつぶれてるからクリアに出して」などのダメ出しが多く、とても「深い感情があればセリフなんて少々聞き取りづらくても、お客さんは受け取ってくれる」といってるとは思えませんでした。
結局、演出を受けたアマチュア俳優さんたちの技量が、感性をのせて演技するには、発声発音の基礎力が足りていないから、そういうダメ出しに終始したんだろうと思います。
もしあなたがプロの俳優を目指すなら、発声発音の基礎ができていなければ、スタートラインに立つことさえできない、とういことかもしれません。
とはいえ、未経験でいきなり、感情表出の能力と生まれつきの滑舌の良さだけでオーディションに合格してしまう天才もいますが、そんな天才はそもそもこのブログを読んでいませんよね。
役の呼吸で演技をする
よく役を生きるなんて言い方をする場合があります。
役を生きるというのは、なかなかに難しいことです。
役になりきるという状態のことではありません。
下手な演技を表す言葉の一つに、クサイ演技という言葉があります。
クサイ演技が下手な演技ということを指すのなら、上手い演技はどういう匂いがするのでしょう。
演技が上手くなればなるほど、匂いは消えていき、一旦無臭になります。
クサイ芝居というのは、
「上手く見せてやろう」
「こうしたら面白いだろう?」
「俺ってサイコーにかっこいい」
とかいう、演じている俳優の欲が見える時のことを言うんだと思います。
上手い俳優さんは、その役を生きているのであり、上手く演じてやろうという欲が顔を出すことはありません。
その役の人物が存在しているのであり、その役の人としての反応をしているのです。
なので見ている観客からすると、あまりにも上手い俳優の演じる自然な演技は、ともすれば、「なにもしていない」ように見え、演技をしていないように見えます。
名優、緒形拳さんが生前、演じない役者を目指している、と言っていたのもこういうことなんだと思います。
しかし、いざ自分が、セリフを与えられて、舞台上や稽古場などで、他人に見られながら「演技をする」ということをやってみると、なんとぎこちなく、必要以上にオーバーな演技をしてしまうことが多いです。
そこではじめて「自然な演技のむずかしさ」に気付くのです。
では、この自然な演技をするための、役を生きるための手掛かりとして、まず役の呼吸を意識することが重要です。
生きるためには、呼吸をしなければ生きていけませんよね。
役の呼吸で呼吸しないから、その役が生きてこないのです。
人は、言葉を発するとか、手を動かしたり、移動したり、視線を動かすにしても、何かアクションを起こす前には、必ず呼吸が変わります。
台本上に書かれていることをなぞろうとすると、この呼吸が変わらないまま、いきなり怒り出したり、泣き出したりとなってしまったりします。
気持ち悪いことこの上ないです
俳優は日常生活において当たり前にやっている、この呼吸の変化を、役の置かれた状況、状態に合わせて利用すればいいのです。
この呼吸が変わるというのは、心が動くことによって生じます。
そして心が動くのは、何かを感じたからです。
つまりは、見たり、聞いたり、触ったり、食べたり、匂いを嗅いだりして、感じることによって、心が動き、呼吸が変わり、行動が起こるということです。
このことを理解して演技をしてゆくことにより、より自然な演技につながっていきます。
まとめ
演技が下手と思われないためには、まず、基礎的な発声発音を鍛えてしっかりとセリフをしゃべること。
というか、そもそもこれができていないとお話になりません。
そして、役の呼吸で演技をすること。
見たり聞いたりして感じて、心が動く、心が動くと呼吸が変わる。そして行動が起こる。
この2点をしっかり押さえておけば、とりあえずは下手とは言われないことでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます
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