舞台空間とはなにか ~物理的空間と心理的空間~
ぺーいちです。
なんか禅問答のような問いですが、あなたは説明できますか。
これを理解すると舞台上での振る舞いが随分と楽になるので、ぜひ覚えていてもらいたいです。
舞台空間とはなにか
演出家であり脚本家でもある演劇界の巨人、別役実先生は、
「舞台空間は、そこにある限られた物理的空間であると同時に、観客の思いに支えられた心理的空間でもある。」
と定義しています。
この重層性が「舞台に立つ」ということを、単に「舞台に立つ」だけのことと区別しています。
舞台の心理的側面を理解しなければ、演劇的快感は得られません。
目に見えない空間の癖
舞台空間が持つ癖に従って、まず心理的空間である側面に体を馴染ませなければなりません。心理的空間の特異さを感知できるかどうかが、演技の違いに現れてきます。
①舞台には上手から下手に向けて緩やかな風が吹いている
②物には気配がある。人物がそれを感知することによってのみそれはそこに存在する
③舞台空間には「核」がある。芝居はそれを拠り所として広がる
④舞台空間は人物がそこに入り込むことによってはじめて、色づき、単なる物理的空間でないものになる
まとめ
物理的に「舞台に立つ」ということは誰にでもできますが、心理的空間でもある「舞台に立つ」ことは訓練された演技者でなければできません。
そのためにも、日々の鍛錬が大事です。
一緒に頑張っていきましょう
(注)